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ミルハウザーの文庫本、駅前までの行き末?そんな言葉あるか、登校する土曜日。姉が、おとうとを励ましている。母なのかもしれない、もう転ばないように、なきべそをかいているおとうとは考えている。くやしくて涙がでている。なんで転ぶのかと2度3度詰問されている、こたえは無い。よそ見をしているからでしょ。答えの提示。はたしてそうなんだろうか、涙がとまらない。遠くで老人が励ましている、大丈夫大丈夫、きみの世界が私のそれと交差する。涙を我慢する老人は一瞬でその涙でぼやけた地面を思い出すことができる、彼のそれと寸分違わぬヴィジョンを見ることができる。大丈夫大丈夫、未来が減っていき過去ばかりが大きくなる、そんなことも思うがちょっと違う気もしている。「きみのねがいはちゃんとかなうよたのしみにしておくといい」声が聞こえる、地面ばかりを見て少し小走りで行ったんだ。日差しが強く自分の動いている影がはっきり見えた、気づくとそこまで来ていた。母が小さくしか見えないあの場所まで。去年の11月に読み終えてるはずの本、へんな話だ。

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